筒井伸輔画集

著者:筒井伸輔

編集協力:筒井智子、日下恵理子(ミヅマアートギャラリー)
翻訳:アントワーヌ・ペラン
デザイン:島内泰弘
編集:久保恵子
進行管理:深谷路子(求龍堂)

発行日:2021/2/11
企画・発行:ミヅマアートギャラリー
発売:求龍堂
判型:A4縦判(297×210mm)
頁数:128頁
用紙:b7トラネクスト、タントセレクトTS-1 N-7、ニューVマット
製版・印刷:カバー、本文はプロセス4C(カバーはマットPP加工)、表紙は箔押し
製本:糸かがり上製本

今回ご紹介するのは「筒井伸輔画集」です。

身のまわりで採集した虫をモチーフに、蜜蝋を用いて表現を続けてきた画家筒井伸輔氏。採集してきた虫を標本にし、それを顕微鏡で撮影して作ったフィルムを紙に投影し、作品を作り上げていきます。

モチーフの形はそのままに、彩色した蝋を重ねていくと、平面のモチーフは立体的に見えてきます。虫の存在を丁寧に積層に封じ込めていく作業は緻密で繊細。彩色された虫は、別なものに生まれ変わったかのようです。

本書の完成を見ずに、筒井伸輔氏はこの世を去りました。2019年4月に病が判明して以降、通院と治療をくり返しながらも、静かな情熱をもって最後まで作品をつくり続け、どんな画集にするか、本書の制作にも最後まで携わったそうです。

本書は可能な限り筒井伸輔氏ご本人の意向に添った構成となっているそうです。ただただ純粋に作品を見せる、そういう思いが伝わる画集です。

弊社ディレクターがミヅマアートギャラリー様に赴いて、現物校正を行うことにより、筒井氏の蜜蝋画の色彩やディテールを再現するよう努め、製版、印刷いたしました。

取り扱い画廊であるミヅマアートギャラリーの全面協力で本書は刊行されました。父、筒井康隆氏の著書『聖痕』が朝日新聞に連載されていた際の挿絵全238点も掲載。

画家、筒井伸輔氏の生きた証がここにあり、作品は画家の死後も永遠の生命を持ち生き続けています。ぜひ筒井伸輔氏の30年の軌跡の本画集をご覧ください。