家康の正妻 築山殿 悲劇の生涯をたどる

著:黒田基樹

装幀:菊地信義

発行:平凡社
発行日:2022/10/14

判型:B6縦変型判(172×105mm)
頁数:240p
製版・印刷:スミ、特色1C(鉛色)特色2C(特青+特黒)、カバーはマットPP加工
用紙:淡クリーム琥珀N、Nプレミアムステージ ホワイト、雷鳥コートN
製本:あじろ綴じ並製本

今回ご紹介するのは、黒田基樹氏著『家康の正妻 築山殿』です。

今川家御一家衆・関口氏純の娘で、従属国衆・松平元信(徳川家康)の最初の妻・築山殿。今川家との敵対による互いの立場の逆転と、長年にわたる別居状態にともなう信頼関係の希薄化から、嫡男・信康に対する思いを強くしていきますが、二つの事件によって、終幕を迎えます……。
信頼に足る後世史料を丹念に読み解き、信康「逆心」事件の実態と築山殿の死の真相を探ります。

2023年の大河ドラマ「どうする家康」では、築山殿を有村架純さんが演じられることもあり、注目が集まっています。これまでのドラマや小説での築山殿のイメージは、家康とは不仲で嫡男を溺愛し、陰謀を企んだ末自害に追い込まれた正妻というものが多いですが、本書では丁寧に史料を読み解き、その実像と背景に迫るものとなっています。

戦国時代に家を守る正妻の立場がいかに重いものであったかなど、この時代の「妻」の立場についの考察も興味深い本書。大河ドラマファンや歴史好きの方々にもご満足いただけるのではないでしょうか。ぜひご一読ください。