小野絵里 Mandala-Blue —暴力のない宇宙へーTo Universe without Violence
著:小野絵里
発行:小野絵里作品集刊行委員会
発行日:2021/6/14
判型:A4縦変型判(280×220mm)
頁数:88p
製版・印刷:プロセス4C、スミ
用紙:ユーライト、b7クリーム、ビオトープ GA-FS マゼランブルー
製本:糸かがり上製本、Jスクラッチ、箔押し
今回は、画家・小野絵里氏の作品集『Mandala-Blue —暴力のない宇宙へーTo Universe without Violence』をご紹介いたします。
小野絵里氏は1949年岡山県高梁市生まれ 父・絵麻、母・二三ともに画家の家に生まれます。1971年、多摩美術大学絵画科卒業。以降、精力的に創作活動を続ける傍ら動物保護にも打ち込まれています。
私は宇宙のリズムの中にいる。生と死があり、創造と破壊があり、夏至や冬至や四季があり、私は天体の動きとともにキャンバスに向かう。
ところが、「美しい星」であるべきこの地球上には、人類史上最も暴力が蔓延するようになった。戦争狂達は正義の名のもとに大量殺戮を繰り返している。私は動物実験や種差別をも含むありとあらゆる暴力を否定する。
私は祈る。傲り昂った人間の犠牲となった自然や動物達へ、又湾岸の罪なき子供達へ、レクイエムの意を込めて《音楽の星》を描き、再生の願いを込めて《渦巻きの星》を描く。私は想う。森羅万象の奏でる宇宙図を、救済の「箱舟」を、生命あるものすべてが内包された「至聖所」を。
ー小野絵里「美しい星」(「小野絵里展」案内状、2004年より)
あらゆる命あるものに対する暴力への怒りが、小野氏をキャンバスに向かわせています。これまでも、箱舟や動物、楽器のイメージをとりながら、傲慢な人間の犠牲となった自然や動物、戦争の犠牲となった子供たちへの祈りを捧げるような作品を紡ぎ出してきました。
今回の作品集のタイトルでもあるブルーの曼荼羅は、幾層も重ねられた絵具を削り取っては、さらに幾層にも重ねた重厚な画面に、動物の骨や卵のような形象が緩みのない線で描かれています。この現代の曼荼羅を前にした時、私たちも己の傲慢を省み、奪われた命の尊さに思いを遣ることができるのでしょう。
この作品集は、本体4000円+送料500円=4500円(税込み価格)にて小野絵里氏より直接購入可能です。お問い合わせ先は koji_ishi@hotmail.co.jp まで。ぜひお求めください。
担当プリンティングディレクターより
細野 仁
小野先生の自宅兼アトリエにお伺いし、現物校正を行いました。全体的に色彩にボリュームがあって鮮やかなので、濁りを抑え、色と色の重なりあった部分は立体感を出して製版。ブルーは赤浮きを抑え濃淡の表現に留意、レモンイエローはボリュームを出しつつもクリアーな発色にしています。
執筆:市川政憲、鷹見明彦、辻井喬、野地耕一郎、本江邦夫、矢川澄子、柳沢秀行(敬称略・50音順)
製作:茂木光治(アルボリート)
デザイン:馬面俊之
撮影:タケミアートフォトス、黒原三郎、松浦文生、内田芳孝、青木外司、橋本憲一、art space kimura ASK?、篠原誠司