TOKYO:Daido Moriyama,Shomei Tomatsu
Author:Daido Moriyama,Shomei Tomatsu,Simon Baker(Texts)
発行:Akio Nagasawa Publishing
発行日:2020/11/11
判型:B5縦判(257×182mm)
頁数:104ページ(森山大道写真集)、80ページ(東松照明写真集、テキストブック)
製版・印刷:プロセス4C+特色1C(特グレー)、スミ+特グレー、プロセス4C、スミ、特スミ+硬調スミ+特グレー+マットニス
用紙:ユーライト、ミューコートEX、OKアドニスラフ80、NTラシャ しろ
今回は、2021年5月から10月にパリ市立ヨーロッパ写真館(MEP)で開催された『Moriyama – Tomatsu: Tokyo』展のために制作されたカタログ写真集をご紹介します。
森山大道作品集、東松照明作品集、テキストブックの3冊組となっており、テキストブックでは、二人の写真家の主要なテキストの英仏翻訳、MEP館長のサイモン・ベーカー氏の文章を収録。この展覧会は、生前の東松氏が森山氏に提案していた、お互いの撮影した「東京」ををコラボレーションさせる企画展で、400点以上の作品が展示されたそうです。
60年代に写真家グループ「VIVO」を結成し、主観的、象徴的な「映像表現」で写真界に新風を吹き込んだ東松氏、70年代に「PROVOKE」に参加し、「アレ、ブレ、ボケ」のラディカルな表現で、日本の写真界に革命を起こした森山氏、二人の写真家の軌跡を辿ることができるのが本書です。
大道氏は上京して細江英公氏のアシスタントとなりましたが、当時最も心酔していたのは東松氏だったそうです。解散直前の「VIVO」に入ることは叶わなかったものの、事務所に泊まり込んでは、夜中に抽斗を開けて「アンタッチャブル」と言われていた東松氏のコンタクトブックをこっそり覗き見したエピソードなどは、本当に青春に1ページという感じがしますね。
常に、記録と表現、個と社会、というように問題意識を持ち、「野良犬の目」で撮影に臨む東松氏に対し、若かりし日の大道氏は、街に出て、「ブレボケ」という一見乱暴なスタイルを取りながら、主観的、生理的選択により撮影する手法を確立していったようです。
この作品集のスリーブケースは、東松氏が70年代に発表した花嫁姿の森山氏とテキ屋風に扮した東松氏のポートレートが表紙を飾る、両A面のような仕様になっています。
印刷に際し、プロセス4C、スミそれぞれに超光沢タイプのグレーを加え、作品プリントのようなツヤをプラスし、コントラストは強く残しつつも、撮影当時の空気感が感じられるややくすんだ色調にしています。
現在、サイン本がAkio Nagasawa Publishingで購入可能ですので、ぜひ2人のマエストロが撮った「TOKYO」の世界をご堪能ください。
Photo Retouch:Yasuko Tomatsu(TOKYO:Shomei Tomatsu)
Art&Editorial Direction:Akio Nagasawa
Design:Hiroshi Nakajima
Tokyo: Daido Moriyama, Shomei Tomatsu – 森山大道、東松照明 | AKIO NAGASAWA
2020年6月からMEP(パリ)で開催予定だった『Moriyama – Tomatsu: Tokyo』展のために制作された写真集。 森山大道作品集、東松照明作品集、テキストブックの3冊組みとなっております。 ※本展は新型コロナウィルス…