ことばを写す 鬼海弘雄対話集

著:鬼海弘雄

編:山岡淳一郎

DTP:北里俊明 design POOL

発行:平凡社
発行日:2019/7/24

判型:B6縦変型判(188×128mm)
頁数:192p
製版・印刷:コンクスミ、スミ+特1C(特グレー)、スミ+マットニス、カバー、帯はマットPP加工
用紙:b7クリーム、OKミューズリンター ホワイト、里紙 雪、ヴァンヌーボV スノーホワイト
製本:無線綴じPUR製本

今回ご紹介するのは、2019年刊行、写真家・鬼海弘雄氏著、ノンフィクション作家・山岡淳一郎氏編の『ことばを写す 鬼海弘雄対話集』です。

無名の人々の肖像に独特な語り口のキャプションを添えた『PERSONA』(草思社)は、大きな反響をよび、この写真集で鬼海氏は土門拳賞、日本写真協会年度賞など受賞しました。年齢や国境を超えて鬼海氏の写真に惹かれる人は多く、国内外を問わず、数多くの写真展が開かれています。

2019年3月には『PERUSONA 最終章』(筑摩書房)を刊行。鬼海氏の写真・人物への追究はとどまることを知りませんでした。本書は、そんな鬼海氏の最初にして最後の対話集。

対話の相手は、山田太一、荒木経惟、平田俊子、道尾秀介、田口ランディ、青木茂、堀江敏幸、池澤夏樹の各氏。第一線で活躍する表現者たちが、鬼海氏との対話でのなかで素顔を見せ、自身の作品や人間観、鬼海氏の写真への思いなどを語ります。対話のあとに、鬼海氏がそれぞれの対話者に捧げた写真が掲載されています。

山岡氏はあとがきで「写真や小説、詩、あるいは建築といったジャンルを超えて、人生との向き合い方のヒントがちりばめられていた。読むと目が開かれ、ほっと息をつける対話があちこちにあった。ようするに生きることは『肯定し、認める』作業の積み重ねなのだ。』と書かれています。

単なる写真や文学に関する芸術論的な視点にとどまらず、まるでその場に立ち会っているかのような臨場感があり、人生について改めて考えるきっかけも与えてくれる対話集。鬼海氏と対談者の方々から名言の数々も飛び出します。ぜひご一読ください。