火の山にすむゴリラ
写真・文:前川貴行
発行:新日本出版社
発行日:2022/5/20
ブックデザイン:富澤祐次
製本:東京美術紙工
判型:A4縦変型判(285×210mm)
頁数:40p
製版・印刷:プロセス4C、スミ、カバーはグロスPP加工
用紙:サテン金藤N、NTラシャ るり、A2コート
製本:糸かがり上製本
今回は、写真家・前川貴行さんの写真絵本『火の山にすむゴリラ』を、担当営業・桝川よりご紹介いたします。
キュウリに味噌をつけたのがうまい季節になりましたね。
底流中年の星、無免許YouTuber桝川です。
さて、前川貴行さんの『火の山にすむゴリラ』担当させていただきました。
まずとにかく表紙を見てください。
目があったでしょ。明らかに他の動物にはない「意思」を感じます。
瞳孔と虹彩の境目のコントラスト。瞳に写っているジャングルの日差し。
もちろん写真がすばらしいんですが、この透明感と底深さを紙の上で表現するために製版技術の粋を結集しています。
前川さんはゴリラのファミリーに近づき、そこにいても放っておいてもらえる関係を築いたたそうで、そういう距離感がこの自然な表情を引き出しているのでしょう。
ゴリラやチンパンジーは人間に最も近いと言われていますが、このあと進化して人間になるわけではありません。全ての生命の進化の頂点が人間であるという考え方はとうに否定されています。虫も魚も鳥も獣も、それぞれの進化上現時点での頂点にいるのです。
本書でこのゴリラのファミリーの喜怒哀楽の表情を見たあと、この数ならぬ身・桝川でも、「どうか人類は傲慢さを捨てて、同じ時を経たすべての生命の同志たちと共生していこう」という文科省推薦のような気持ちになり、姿勢を正すのでありました。
ゴリラの深遠なる瞳、その豊かな表情に惹き込まれ、「地球に暮らす人間」について哲学的な問いさえ投げかける写真絵本です。ぜひご覧ください。
リンク