舟越直木 Naoki Funakoshi

著者:舟越直木

特別協力:ギャラリーせいほう、峯村敏明
寄稿:峯村敏明、O JUN、舟越桂
撮影:江崎義一
デザイン:清水恭子(求龍堂)
翻訳:パメラ三木
プリンティングディレクション:中塚康(求龍堂)
編集:清水恭子(求龍堂)

発行日:2021/4/19
発行:求龍堂
判型:A4縦変型判(297×225mm)
頁数:144頁
用紙:b7ナチュラル、キャピタルラップ、ユーライト
製版・印刷:本文はプロセス4C、スミ、表紙は特色1C(特緑)、帯は特色2C(特緑+特グレー)、カバーはプロセス4CにマットPP加工
製本:糸かがり上製本

今回ご紹介するのは2021年に求龍堂様から刊行されました、舟越直木氏の初作品集「舟越直木」です。

舟越直木氏は、1953(昭和28)年1月14日、東京都に舟越家の三男として生まれました。父の保武、兄の桂はともに彫刻家。78年に東京造形大学絵画科を卒業。2017年、死去。享年64才でした。

生前は彫刻とドローイングを通して「かたち」の探求に費やします。その作品はなぜか心のどこかにひっかかり印象に残ります。

兄の桂氏の寄稿文には次のようにあります。

「あれは今、どこにあるのだろう?なんとも詩のある形だった。直木の作品は、いつもそうだったと思う。何を造ってもそうだった。形に詩があった。それを私は子供といえる時分に見抜いた。だから私は直木の才能に、いつもある種の『嫉妬』のようなものを感じて来た。」

美術評論家の峯村敏明氏は、直木氏の作品に通じる概念として「無差別的事物観」「非差別的人間観」があると分析しています。

初期の彫刻作品の自由で柔らかなライン、著名人の名前を有し個別性を持ちつつも洞穴のような目に吸い込まれるような人物のドローイングなど、その根底には何物、何者も差別しない自由な感性があります。

我々を今なお魅了し続ける舟越直木氏の詩情にに満ちた作品群が、一冊に収録された珠玉の珠玉の作品集です。ぜひお手にとってご覧ください。