季刊 永青文庫 №117
編集・発行:公益財団法人永青文庫
発行日:2022/5/21
アートディレクション・デザイン:関宙明(ミスター・ユニバース)
判型:A4縦変型判(283×210mm)
頁数:44p
製版・印刷:プロセス4C
用紙:b7トラネクスト
製本:中綴じ製本
今回は、『季刊 永青文庫』をご紹介いたします。
永青文庫は、東京・目白台に、江戸時代から戦後にかけて所在した広大な細川家の屋敷跡の一隅にある美術館。細川家に伝来する歴史資料や美術品等の文化財を管理保存・研究し、一般に公開しています。
今回の特集は、2022年5月21日~7月18日まで開催される「仙厓ワールド」展第2弾、「仙厓ワールド また来て笑って!仙厓さんのZenZen禅画」に合わせ、「仙厓ワールド」展第1弾の特集号を一部改訂して再録し、今回の第2弾に合わせ調査された浅井京子氏による論考「永青文庫所蔵誠拙周樗の書画について」を掲載。
江戸時代後期の禅僧・仙厓義梵(1750~1837)は、ユーモラスな書画を通して禅の教えを広く伝えたことで知られています。第2弾となる本展では、永青文庫所蔵の、選りすぐりの仙厓作品に加え、兄弟子にあたる誠拙周樗(せいせつしゅうちょ、1745~1820)など、仙厓周辺の禅僧による書画をあわせて展示し、これまでほとんど取り上げる機会のなかった知られざる禅画コレクションの一端を紹介。
仙厓の書画は簡略化された線でユーモアたっぷりの人物や動物が描かれていいますが、福岡市美術館総館長・中山喜一朗氏によれば、それは仙厓が、「厓画無法」すなわち、禅の笑いを顕現するために、絵画として美しく整えることを捨てることを志したからだそうです。
「雪隠隠図」や「絶筆の碑図」「ぼうふら図」など、なぜこんな書画を描いたのかしら?と不思議でクスリと笑ってしまうものや、「人形売り図」「七福神図」「龍虎図」などゆるふわでかわいいものまで、仙厓さんの世界にどっぷり浸れる今号。開催中の「仙厓ワールド」展と併せてぜひお楽しみください。
永青文庫
江戸時代後期の禅僧・仙厓義梵(せんがいぎぼん)(1750 ~ 1837)は、ユーモアに富んだ書画を通して禅の教えを広く伝えたことで知られます。永青文庫には、設立者・細川護立(もりたつ)(1883 ~ 1970)が集めた仙厓の作品100 点以上が所蔵されており、江戸時代中期の禅僧・白隠慧鶴(はくいんえかく)(1685~1768)の書画とともに当館の禅画コレクションの重要な柱となっています。その全容は、2016 年の秋冬展「仙厓ワールド―来て見て笑って!仙厓さんのゆるカワ絵画―」において初めて公開され、話題を呼びました。 第2 弾となる本展では、選りすぐりの仙厓作品に加え、兄弟子にあたる誠拙周樗(せいせつしゅうちょ)(1745~1820)など、仙厓周辺の禅僧による書画をあわせて展示し、これまでほとんど取り上げる機会のなかった知られざる禅画コレクションの一端を紹介します。さらに、禅画への理解と親しみを深めるため、画題を解説するコーナーを設けるほか、作品の人気投票も開催。仙厓が人々にやさしく説いた禅の世界をお楽しみください。