Daido hysteric no.4
Photographs:Daido Moriyama
Publisher:Nobuhiko Kitamura
Art Director:Osamu Wataya,Kimie Hata
発行:COMMON+Akio Nagasawa Publishing
発行日:2022/4/28 (900部限定)
判型:A3縦変型判(362×315mm)
頁数:352p
製版・印刷:特スミ(スーパーブラック)+特1C(特グレー)、特色3C(スーパーブラック+特グレー+特青)+グロスニス
用紙:OKトップコート+、OK特アートポスト+
製本:あじろ綴じ並製本
今回は、森山大道氏の写真集『Daido hysteric no.4』をご紹介いたします。
1993年にHYSTERIC GLAMOUR(ヒステリック グラマー)から出版された森山大道氏の伝説の写真集『Daido hysteric no. 4』のリマスター版が、限定900部で刊行。
日本を代表する写真家の一人であり、今なお精力的に活躍を続ける森山大道氏。1960年代後半に前衛的写真雑誌『Provoke(プロヴォーク)』で当時の写真界に革命を起こし、彼のラディカルでスピード感に溢れた「ブレボケ」写真は、多くの写真家にも影響を与えてきました。
1980年代後半、アパレルブランド HYSTERIC GLAMOURの北村信彦氏は、『Provoke』を偶然目にし、写真集の出版を思いついたそうです。その後1991年に出版された『hysteric』フォトブックシリーズは、服の写真やブランドの広告などは一切含まず、写真家にとって自身の作品を発表する雑誌のようなスタイルでスタートしました。
その『hysteric』フォトブックの第4弾として、1993年に300部限定で製作された『Daido hysteric no. 4』は、大道氏のみ丸々1冊フィーチャーした伝説の号で、当時から入手困難だったためマニア垂涎の書となっていました。現在でこそファッションとアートのクロスオーバーは当たり前となっていますが、1993年にこのような試みは新鮮で革新的に映ったでしょう。
『Daido hysteric no.4』は総ページ数352ページのボリュームで、街の光景がすべて縦一のフレーミングで、1ページに1枚というレイアウトになっています。
ページをめくれどもめくれども、モノ、モノ、モノ、時々ヒトの洪水ですが、それらは徹底的に物語や情感が排除されており、目の前に現れる建築物も看板も自動販売機も果物も、はては子供でさえも、単なるモノとしか見えなくなります。この写真集を1冊通して見終わるころには、別世界に迷い込んだようなある種の高揚感に包まれるのではないでしょうか。
リマスター版の印刷にあたり、大道氏の特徴である「ブラック&ホワイト」のハイコントラストな写真を再現するため、特濃のスミ(スーパーブラック)と、東京印書館が大道氏のために配合し「大道グレー」と名付けている通常よりも濃いグレーを使用し、白と対照的な黒の粒子の荒さ、暗部の漆黒感がより強調される仕上がりにしています。
今回『Gallery COMMON』は原宿とファッションカルチャーの文化的変遷を物語る貴重な出版物であり、大道氏自身にとっても新たなファンを獲得していく契機となった『Daido hysteric no. 4』のリマスター版を『Akio Nagasawa Publishing』と共同で制作しました。
この写真集はGallery COMMONおよび日本国内一部書店にて購入可能。オンライン・海外からの購入はAkio Nagasawa Publishingでご購入できます。大道ファン必携の写真集のリマスター版を、この機会にぜひお求めください。
Daido hysteric no.4 – 森山大道 | AKIO NAGASAWA
1938年大阪生まれ。写真家・岩宮武二、細江英公のアシスタントを経て1964年に独立。写真雑誌などで作品を発表し続け、1967年「にっぽん劇場」で日本写真批評家協会新人賞受賞。1968-70年には写真同人誌『プロヴォーク』に参加、ハイコントラストや粗粒子画面の作風は”アレ・ブレ・ボケ”と形容され、写真界に衝撃を与える。 …