北斎 HOKUSAI 日新除魔図の世界

編著者:九州国立博物館

監修:大久保純一

発行:講談社
発行日:2022/4/14

判型:A5縦変型判(182×206mm)
頁数:286p
製版・印刷:プロセス4C、スミ(本文)、プロセス4C+特金+グロスニス(カバー)、スミ+特金(帯)
用紙:b7トラネクスト、コラボファインW、OKトップコート+
製本:無線綴じPUR製本

今回は、「北斎 HOKUSAI 日新除魔図の世界」をご紹介いたします。

本書は、2022年4月16日(土)~6月12日(日)に開催される特別展「北斎」展(九州国立博物館)公式図録です。
門外不出、九州国立博物館のみ公開を許された、重要文化財「日新除魔図」(宮本家本)全219枚を一挙掲載。

天保13年(1842)、83歳の北斎は、「日新たに魔を除く」ことを願い、ほぼ毎朝、獅子や獅子舞を半紙に描く日課に取り組みはじめます。そこから生み出された小型の絵図が、「日新除魔図」と呼ばれる作品群です。

肩肘張らない軽快な筆さばき、獅子や獅子舞の舞い手たちのさまざまなポーズからは、ユーモアにあふれた北斎の素顔までもが垣間見えるようです。
2017年に、古美術商・坂本五郎氏のコレクションが、九州国立博物館に寄贈され、特別展「北斎」展にて、全図が初めて公開されます。

浮世絵の場合は版木や刷りの状態に色が非常に左右されることも多く、また肉筆画の場合も経年による色の変化が大きいため、弊社にて学芸員の方をはじめとするご担当者の方々と綿密な校正の打ち合わせを行うことで、作品本来の色に近づける微妙な調整を行いました。

特に今回の目玉とも言える「日新除魔図」は、紙が経年劣化で黄ばんだり青ずんだりしていたものの色調を統一しています。

北斎の代表作「富嶽三十六景」から、最晩年の大作・長野県小布施町の「東町祭屋台天井絵」まで、北斎の画業とその素顔に迫る決定版です。北斎の画業を総覧でき、その振り幅の広さに改めて驚かされます。皆様もぜひご覧ください。