廣田一雄写真集 京都 花衣

著者:廣田一雄

編集:金瀬胖
デザイン:富樫茂美

発行:日本リアリズム写真集団(JRP)出版局
発行日:2022/2/28

判型:B5縦判(257×182mm)
頁数:100p
製版・印刷:コンクスミ+特グレー+グロスニス(本文、カバー)、スミ(表紙)
用紙:b7トラネクスト、ヴァンヌーボV-FS ホワイト、ヴァンヌーボVG ホワイト
製本:糸かがり上製本

今回は廣田一雄さんの写真集「京都 花衣」をご紹介いたします。

写真家・廣田一雄さんは1946年生まれ。電気工事店経営を経て2016年よりフリーとなり、現在は日本リアリズム写真集団会員、日本写真作家協会会員、全日本写真連盟会員でいらっしゃいます。

小型カメラを片手に撮影場所をぐるぐる「徘徊」し、京の暮らし、日常、訪れる人々の生の姿と出会えることを楽しみにされていたそうです。

2021年11月に撮影された「お姉さんこんにちは」という写真は、マスクをした舞妓さんがキャラクター柄のバッグを持って歩いており、「お姉さん」にご挨拶する舞妓さんの表情もナチュラルで、通常我々が目にする舞妓さんとは異なり、「日常」の一コマという風情があります。

他にも、京都の町家が並ぶレトロな雰囲気とミスマッチな、そこで生活する現代の人々の生き生きとした生活風景が、軽妙洒脱に切り取られています。

モノクロ写真はスミとグレーのダブルトーンで製版、印刷。高濃度印刷に耐えうる擦れに強いコンクスミを使用することで、写真のボリューム感を出しています。また、絵柄にはグロスニスをかけて銀塩プリントのような光沢を出しています。

ご本人もおっしゃるように、京都を撮影した写真集はあまたありますが、本書は京都を小気味よくモノクロでスナップした珠玉の写真集です。ぜひご覧ください。