古典とケーキ 甘い再読 愉悦の読書案内
著:梶村啓二
発行日:2021/12/16
発行元:平凡社
判型:四六判(188×130mm)
頁数:296頁
用紙:嵩高用紙55クリームA、サーブル スノーホワイト、テイクGA-FS、ミルトGAスピリット スノーホワイト
製版・印刷:本文はスミ1C、カバーはプロセス4C+マットニス
製本:あじろ綴じ並製
今回は、梶村啓二さん著の『古典とケーキ』をご紹介いたします。
漱石の『文鳥』といちごジャムからレム『ソラリス』と焼きメレンゲまで、精選12篇の古典の新解釈。それにぴったりの選りすぐりのお菓子がレシピとともに紹介されています。
導入「ことのはじまり」では、アラン(エミール=オーギュスト・シャルティエ)曰く、「繰り返し読むことのできないような小説ならば、はじめから読む必要がない」。繰り返し読む「好きな本」、愛読書とは当人にとっての「古典」を意味するそうです。本文中、梶村さんは「お茶を淹れよう。愛する古典と焼き菓子さえあれば。あとはもう何もいらない。そう思えてくる。」とまでおっしゃっています。終始古典とお菓子への愛に感銘を受け、またその博覧強記ぶりには頭が下がります。
担当プリンティングディレクターより、本文に登場するお菓子の画像はモノクロの諧調表現、カバーのチョコレートケーキはチョコレートが赤過ぎにならないように用紙特性とのバランスに気をつけながら製版設計を行ったとのこと。
知的好奇心と食欲が満たされる一冊。巣ごもりの日々のお供に古典を読み返しながら、お菓子を焼く…素敵ではないですか。ぜひご一読ください。
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