森山大道写真集成第4弾「写真よさようなら」再構築版

「にっぽん劇場写真帖」「光と影」「狩人」に続いて刊行。森山大道初期作品集の再構築版第4弾「写真よさようなら」の印刷を今回も担当させて頂きました。

和紙のような手触り感のある「わたがみ」に印刷された鮮烈な蛍光ブルーが印象的な表紙の印刷には合計6色を使用。まずは表面のテクスチャーを平らにしてインキを乗せやすくするために用紙全面に印刷圧力をかけてニス刷りをします。

まず黒部分は、プロセスのスミインキを2度刷り→強烈な濃度感を出しています。

蛍光ブルー部分はテスト校正時、通常のプロセス藍インキに蛍光グリーンを混入した特色を使用しましたが、本番ではさらに鮮やかさを強めるべく色再現領域が広いブロードという藍インキ+蛍光グリーンを7対3の比率で混ぜています。

外側のわずかに藍味を帯びた白部分は「オペークホワイト」(白インク)をベースにしており、こちらも93%のオペークホワイトインクに対して7%の割合でブロードの藍インキを混入。わたがみが持つ凹凸のある質感と相まって非常にインパクトのある装丁に仕上がっています。

伝説の名作が装丁を新たにトリプルトーン印刷で復活

1972年刊行の問題作。「写真というものを、果ての果てまで連れて行って無化したかったのだ……路上に向かっていた意識、外に沿っていた関心があるときふっと消えて、この本は生れたのだと思う」森山大道

森山大道=写真
町口覚=デザイン
高柳昇=PD
刊行年月:2019.12
A4
判変型上製328
本体価格7,500
◾︎中平卓馬X森山大道 対談掲載

◎シリーズ「森山大道写真集成」の特徴――初期の名作を初版当時の画像サイズのまま再現し、トリプルトーンの印刷で新生させる決定版シリーズ。写真家自身による当時の回想、撮影にまつわるエピソード、撮影場所など、貴重なコメントを付して、資料的な側面も充実。

(月曜社HPより引用)