写真よさようなら【普及版】
写真:森山大道
発行:2023/10/10
発行所:有限会社月曜社
発行者:神林豊
造本設計:町口覚
デザイン:清水紗良(マッチアンドカンパニー)
協力:森山想平(森山大道写真財団)、中平元、Osiris
プリンティングディレクター:髙栁昇
判型:B5縦判変型(240×186mm)
頁数:316p
製版・印刷:〈カバー〉プロセススミ ダブル+グロスPP加工、〈表紙〉スーパーブラック、〈本文〉硬調スミ+特グレー(スミ80%+藍20%)
用紙:〈カバー〉テンカラ―、〈表紙〉北越アートポスト、〈本文〉b7トラネクスト
製本:無線綴じPUR並製本
今回は、「写真よさようなら【普及版】」をご紹介いたします。
1972年に写真評論社より刊行された森山大道氏の代表作。ヴィンテージ写真集の世界でもレアアイテムとして長年高値で取引されてきた『写真よさようなら』の普及版がこの度刊行されました。2019年に月曜社より出版された『森山大道写真集成(3)写真よさようなら』をもとに構成されています。
いわゆるブレ、ボケ、アレと言われる森山写真のシグネチャーが最も極端に現れた抽象的な、しかしストリート感覚あふれるモノクロイメージの数々。収録写真は145点。中平卓馬氏との対談、2019年の回想テキストも掲載されています。
写真というものを、果ての果てまで連れて行って無化してみたかったのだ。
-森山大道
担当プリンティングディレクターより
版元・神林豊様、デザイナー・町口覚様より、「写真よさようなら【普及版】」を作りたいとのオーダーを受けました。森山大道先生による「写真よさようなら【再構築版】」の画像データを使用しコストダウンを計り、【普及版】としてより多くの読者に届けたいとのことでした。当然のこと、印刷クオリティーは【再構築版】と同様になるよう努めました。
【再構築版】は、トリプルトーン(BL+硬調BL+青グレー)+ニスの4色印刷ですが、今回の【普及版】では、Wトーンでの製版・印刷をご希望でしたので、以下の工夫を行っています。
●製版設計
在版の硬調BL版+青グレー版を使用したダブルトーンとする。
●インキ設計
BLインキ(硬調スミ)+グレーインキ(プロセススミ80%+藍インキ20%)とする。
●印刷設計
【再構築版】のトリプルトーンの暗部印刷濃度にいかに近づけるかがポイント。
①BL、グレーともに出来るだけ盛り込む(強い濃度で印刷する)。
②CTP版出力時、ドットゲインカーブBL+5%、グレー+10%で出力する。→スミ版を使わないことにより、【再構築版】のトリプルトーンと比べて中間の階調不足になりやすいため、ドットゲインカーブを工夫して中間部階調不足を補っています。
東京印書館統括プリンティングディレクター
髙栁昇
森山大道『写真よさようなら 普及版』月曜社
写真集史上の永遠の問題作にしてロングセラー。1972年に写真評論社より刊行された『写真よさようなら』を底本とし、2019年に月曜社より刊行された『森山大道写真集成(3) 写真よさようなら』における構成をもとに、装丁を新たにし判型をコンパクトにした普及版。