93歳の光子通信 レッド・パージから70年
著:小林光子
編集・デザイン:滝川淳
監修協力:風巻義孝
写真編集:尾辻弥寿雄
発行:小林光子
発行日:2020/12/25
判型:A5縦判(210×148mm)
頁数:256p
製版・印刷:プロセス4C、プロセス4C+ニス、特スミ+特グレー+ニス、スミ、特1C(特茶)
用紙:オペラクリーム マックス、OKミューズガリバーリラ ホワイトS、ハンマートーンGA スノーホワイト
製本:あじろ綴じ並製本
今回ご紹介するのは、2020年刊行、写真家・小林光子さんの写真エッセイ集『93歳の光子通信 レッド・パージから70年』です。
小林光子さんは1927年福島市生まれ、東京育ち。大妻女子専門学校(現女子大)卒。農林省、薬品卸会社、法律事務所等勤務。現代写真研究所10期生。第13回、14回「視点」展で努力賞を受賞。日本リアリズム写真集団会員。本書刊行時の御年はタイトルにもあるように93歳(!)でした。
「レッド・パージ(赤狩り)」という言葉をご存じない方も最近は多いかもしれませんが、戦後、連合国軍占領下の日本において、GHQ総司令官ダグラス・マッカーサーの指令により、日本共産党員とシンパが公職追放された動きに関連して、その前後の期間に、公務員や民間企業において、「日本共産党員とその支持者」とした人々を解雇した動きのこと。1万を超える人々が失職しました。
農林省に勤務していた小林さんも、このレッド・パージのため職を失うことになります。本書では、レッド・パージをめぐる当時の思いや、仲間たちとの闘争の記録が綴られています。また戦中、戦後の混乱、同志でもある夫との結婚と子育て、娘たちの出産と孫たちのこと、小林さんの波乱万丈で幸せな人生が詰まっています。
以前出版された写真集『百歳萬歳』、『橋のない川』の著者住井すえさんはじめ、青春を謳歌している素敵なお顔のおばあさま方の写真が素晴らしいです。「撮って書いて走って働いた。やりたいことはまだまだある」バイタリティの塊のような小林さん。「権力に媚びず、人間の尊厳を守って生きる」というポリシーを貫き、いつまでもお元気でいていただきたいです。
小林光子『93歳の光子通信 レッド・パージから70年』
個人会員の小林光子さんの写真集が刊行されました。『93歳の光子通信 レッド・パージから70年』著者 小林光子(個人会員)発行日 2020年12月25日発行者 小林光子監修協力 風巻義孝写真編集 尾辻弥寿雄