季刊 永青文庫 №119 揃い踏み 細川の名刀たち

発行:公益財団法人永青文庫
発行日:2023/1/14

アートディレクション・デザイン:関宙明(ミスター・ユニバース)

判型:A4縦変型判(283×210mm)
頁数:32p
製版・印刷:プロセス4C、プロセス4C+特色1C(特金、特グレー)
用紙:b7トラネクスト
製本:中綴じ製本

今回は、「季刊永青文庫№119 揃い踏み 細川の名刀たち」をご紹介いたします。

永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ)氏(1883 ~ 1970)は、禅僧の書画や近代絵画、東洋美術のみならず、稀代の刀剣コレクターとしても知られます。護立氏が刀の世界に本格的に足を踏み入れたのは、学習院中等学科在学中、肋膜炎にかかり休学していた十代の頃。

細川侯爵家に「御刀掛(おかたながかり)」として出入りしていた肥後金工師の末裔・西垣四郎作(にしがきしろさく)や、刀剣愛好家でもあった細川家の家政所職員らとともに開いた研究会で刀剣の目利きを学び、審美眼を磨いていきました。

この展覧会では国宝全4口をはじめ、「刀銘 濃州関住兼定作(歌仙兼定)」など護立の眼によって集められた名刀を蒐集エピソードとともに展覧。あわせて、肥後金工の鐔など精緻な刀装具の世界も紹介されます。

本誌では美しい刀剣コレクションの写真に加え、刀剣の素顔を記録する「押形」(おしがた)、目貫(めぬき)、鐔(つば)、小柄(こづか)などの鑑賞品としても美しい刀装金具も掲載されています。

この展覧会は2023年1月14日(土)~5月7日(日)、永青文庫にて開催されます。本誌は永青文庫会場ほかHPからも通信販売にてご購入いただけます。ぜひこの機会に護立氏ご自慢の名刀の世界をご堪能ください。

担当プリンティングディレクターより

髙栁 昇

刀の力強さをいかに表現するか、その点を一番大事にディレクションいたしました。特に刃文や銘は見やすくしています。

暗部の締まり、刀のシャープさに重点を置き、押型は4Cとグレーの5色によって、よりリアルさが伝わるように製版設計いたしました。刀装具は、学芸員の方に色の指示を伺いながら、金銀の象嵌やディテールをはっきりと出し、愛好家の方にもご納得いただける仕上がりを目指しました。

印刷ではインキを盛り込み、リッチな印象にしています。特に黒の背景ページの漆黒のトーンが揃うように配慮いたしました。

永青文庫美術館

江戸時代後期の禅僧・仙厓義梵(せんがいぎぼん)(1750 ~ 1837)は、ユーモアに富んだ書画を通して禅の教えを広く伝えたことで知られます。永青文庫には、設立者・細川護立(もりたつ)(1883 ~ 1970)が集めた仙厓の作品100 …