「最近の写真はわからない」多様化・複雑化する写真表現の最前線

「こんなの写真じゃない」「最近の写真はわからない」…現代アート化、複雑化する写真表現の最前線を写真家、渡部さとる氏が様々なキーワードからわかりやすく解説した一冊。著者自らが参加している「パリ・フォト」やビエンナーレ「ケ・フォト」をはじめ、海外における展示会/フェスティバルの様子/事情もリアルに伝えられています。

巻頭には著者自身の作品もふくめキーワードとなる写真家の作品や写真集、展示の写真が50ページ以上にわたり口絵として掲載。現代の写真表現への理解を深め、もっと楽しみたい。そんな方にぜひおすすめしたい一冊です。

渡部さとる氏はYouTuberとしてもアクティブに活動されており、こちらも写真好きの方は必見です!

<目次より>

は じ め に

コラム編 現代写真って何だ?

1 写真の役割は終わった
2 写真の真実性
3 写真の「自立」
4 コラージュとレイヤー
5 解像度が減っていく
6 アンドレアス・グルスキー
7 空問題と遠近感
8 ベッヒャー夫妻
9 ティルマンスの壁
10 パスの方向性が変わった
11 茶の湯とアート
12 新しい写真の形
13 コンセプトは利用するもの
14 「今日写真は死んだ」
15 盗用する作家 リチャード・プリンス
16 「オリジナル性」を手放す
17 報道写真から主観写真、そしてポストモダンへ
18 『プロヴォーク』
19 主体の解体と記号の排除
20 横田大輔
21 写真のマチエール 北井一夫
22 セルフポートレート
23 写真の地図
24 最近の写真はよくわからない
25 わからないものをわからないまま展示する
26 ステートメントと助成金
27 「閉じられた空間」と「開かれた空間」
28 JR
29 バライタを踏む
30 オリジナルプリント
31 コレクターと呼ばれる存在
32 写真学科はどうなってしまうのか
33 「コダック帝国」の100年
34 木村伊兵衛写真賞とフィルム

カメラマン・写真家・作家編
1 カメラマンの時代 1980年?
2 写真家の時代 2000年~
3 作家の時代 2007年~

あとがきにかえて

◼︎著者プロフィール(奥付より)

渡部さとる(わたなべさとる)
1961年山形県米沢氏生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社、写真部配属。スポーツ、一般報道の現場を経験。同社退職後、フリーランスとして、ポートレートを中心に活動。2006年よりギャラリー冬青にて作家活動を本格的に開始。これまでに5冊の写真集を出版、またエッセイ集『旅するカメラ』(枻出版社)はシリーズ4作まで続いている。毎年国内外で写真展を行い、パリのケ・ブランリーをはじめ作品が欧米の美術館に収蔵されている。

判型:四六判 縦188mm 横128mm
厚さ:22mm
重さ: 365g
ページ数:314ページ
定価: 2,400円+税
発行元:梓出版社