〈フライの雑誌〉の品切れオイカワ/カワムツ特集号(106号・112号)2冊とバックナンバーからの特選人気記事、さらにオイカワ/カワムツ初心者向けの分かりやすい書き下ろし記事を加えて編集構成。

身近なレジャーとしてのオイカワ/カワムツ釣りの魅力、生態についての奥深い考察、そしてどこか郷愁を覚えるエッセイと美しい写真の数々が凝縮された一冊。清流の中でひときわ鮮やかな婚姻色を纏ったオイカワの写真に思わずページをめくる手が止まります。

「〜オイカワとカワムツが美しく、その釣りがとても楽しいことを知る釣り人が増えています。オイカワ/カワムツは初心者にも簡単に釣れます。そして釣れば釣るほど奥深くなる不思議な魅力があります。川の宝石、オイカワ/カワムツのフライフィッシングをはじめませんか?」〜本書カバー(袖)より引用

製版・印刷のポイント
〜東京印書館プリンティング・ディレクター 細野 仁 談〜

製版・印刷で重要なのは如何に自然に被写体の質感や奥行を表現出来るかにつきます。鮮やかなだけでは良い印刷とは言えません。印刷物を通してその場の情景が脳裏に焼き付き、その場所に行ってみたいと思わせるようなリアルさが表現が出来るよう、日々努力しています。

今回、印刷するに当たってオイカワの春から夏に出る美しい婚姻色はもとより、追星のディテールも出さなければオイカワ/カワムツの良さが読者には伝わらないと思い、全体のボリュームを第一に設定した上で暗部のディテールを強調、派手な色はハイライト調整と彩度調整で違和感のない程度に仕上げています。

印刷ではタックルダビング材などのディテールは見当精度が悪いと色浮きしてしまう為、細心の注意を払いながら印刷しています。

本書にも書かれているように、オイカワ/カワムツのフライフィッシングは初心者でも楽しめる釣りではありますが、さほど大きくないサイズなのでフライサイズも小さくミッジングの感覚で楽しめます。

また、冬場のドライフライやウェットフライでは渓流魚並みに”アワセ”が中々難しくフライフィッシャーを熱くする事請け合いです。

経験者の方も初心者の方も、ぜひ本書を手にとって頂き、オイカワ/カワムツ釣りの楽しさを(再)発見して頂けたらと思います。

用語解説

追星 産卵期のオスの個体に現れる白色の瘤状突起物
タックル 鶏の羽をフライ用のフックに巻きつけカゲロウの羽を表すための材料
ダビング材 カゲロウの幼虫やカゲロウの躰をイメージした染色されたラビット・ファー等のマテリアル
ミッジング 極小のカゲロウを模した擬餌(フライ)を使用した繊細なフライフィッシング
ドライフライ 水面に浮かべる釣り方
ウェットフライ 水中から水面に浮上する羽化途中を模した釣り方
アワセ アタリのあった時に魚の口にハリを掛けること。フッキングともいう。